印鑑の種類別向いているフォント

印鑑のフォントには様々なものがあります。印鑑を作る時は、目的に合わせて大きく変えたほうがいいでしょう。認印、銀行印、実印それぞれに使ったほうがいい物、避けたほうがいい物が存在しています。また、法人印の場合にも慎重に確認したほうがいいといわれているため、違いを把握してつくることが望ましいです。

どんなフォントがあるのか、自分が作るときに良いとされるものは何があるのか、把握してから印鑑を作りましょう。

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主に使われる印鑑のフォント

印鑑で主に使われるフォントの種類は、次の物が多いです。楷書体・行書体・隷書体・古印体・篆書体・印相体(吉相体)・草書体の7つとなっています。それぞれに特徴があり、どんな印鑑に向いているかを確認してから利用するといいでしょう。

楷書体は現代で最も多く見かけるといわれており、一画ずつ続けず、筆を放して書く書き方です。行書体は楷書体よりも多少続け字になっているものですが、楷書体を知っていれば読めます。草書体は早く書くことができるように、字画の省略が行われますが、文字ごとに決まった省略をされているため、すべての文字の形を覚えなければ読み書きできません。

隷書体は秦の時代に生まれた書体で、一文字ずつ横長であることが特徴です。篆書体は紀元前200年以前から存在するといわれるほど昔から存在する書体で、中国最古の石刻に使われた書体が起源とされています。中国統一をなした秦の王朝が、公式に使う書体として採用し、官吏が公式証明に用いる官印の書体として採用されました。

現在でも日本のパスポートの表紙の文字や、紙幣の総裁印や発券局長印としても使われています。印相体とは印鑑用にデザインされた書体で、篆書体をアレンジして作られました。八方に広がるようにデザインされているため、別名吉相体とも呼ばれています。

古印体とは奈良時代の寺社で使用されていた書体で、波打った太さと丸みのある字体が特徴です。

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個人の実印に向いているとされるフォント

実印を作る場合、偽造されにくいフォントであるかどうかが最も大きなポイントとされています。住宅作成や車庫証明など、個人で作成する印鑑の中で最も重要な書類に押す印鑑であることから、偽造されないように細心の注意を払わなければなりません。

そのため、最も偽造されにくいとされている篆書体や印相体(吉相体)が最適とされています。

複雑な形で偽造されにくく、実印を作成するにあたり最も安心できるものだからです。なお、一部の印鑑屋では周囲の枠だけを太くした太枠の篆書体を取り扱うところもあります。最も人気が高いのは篆書体で、歴史がある書体であるにもかかわらず、偽造されにくさが最も高いといわれているため、多くの人が作っています。

印相体(吉相体)は篆書体をベースにしてデザインされていることから偽造されにくく、印鑑用にデザインされているだけあって押印したときにくっきりとした印影が特徴です。八方広がりとなっている書体を縁起が良いものと考え、印相体(吉相体)で実印を作る人も多いといいます。

なお、見やすくわかりやすい楷書体や行書体、隷書体、古印体は偽造されやすいことから実印には適していません。

銀行印に向いているとされるフォント

かつては銀行印に対してそれほど思い入れのある人は少なく、楷書体などを使うことが多いといわれていました。しかし、防犯意識の高まりによって実印と同様の偽造されにくさを求める人が増えています。そのため、実印と同様に篆書体や印相体(吉相体)を利用するという人が少なくありません。

また、金運の高そうな印鑑を利用したいと考える人が多いことから、八方広がりで金運がよさそうな印相体(吉相体)を利用する人の割合が高い店舗もあります。なお、持ち歩く機会が実印よりも多いことから、一部の店舗で取り扱っている周囲の枠を太くした太枠の篆書体を利用する人も少なくないです。

店舗によっては篆書体を優美な形に見せるために、文字の書体を細くした細篆書体と呼ばれるものを取り扱っているところもあります。男性には向きませんが、女性の銀行印に使うには品格があるとして、購入する人が多いです。

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認印に向いているフォント

認印に関しては普段から様々なシーンで利用されることから、わかりやすいフォントの物を選ぶ人が多いです。見やすくてわかりやすい楷書体や隷書体、行書体や古印体を利用する人も少なくありません。なお、認印の場合は自由度が高く、これらのフォントとは異なり、丸文字やゴシック体といわれるゴム印で使用するフォントを利用することもできます。

店舗によって受け付けているかどうかは異なるため、あらかじめ確認してから作成依頼をしてください。なお、宅配便などの日常生活で使う分には問題ありませんが、ビジネスシーンで使うフォントとして丸文字は適していませんので、注意して使いましょう。

ビジネスシーンで使うのであれば、読みやすさだけではなく、品格も考えて利用したほうがいいでしょう。楷書体だけでなく、隷書体や行書体の物であれば、比較的ビジネスシーンで使うに適していると考えられています。認印とはいえども役所に提出するときに使うものの場合は、多少偽造されにくさを意識することも必要です。

古印体や草書体を利用するといいでしょう。ただし草書体を取り扱っているところと取り扱っていないところがあるため、確認してから作成してください。

フォントだけではなくどのように作るかも考える

フォントで偽造されにくいとしても、同じ苗字の人がいる場合には、偽造されずとも同じ実印や銀行員を持っている可能性が高いです。

そのため、偽造されにくさを考える場合には、フルネームや名前だけの実印や銀行印を作成したほうがいいでしょう。実印を作成する場合はフルネームであれば偽造されにくく、安心して利用することができます。

ただし、女性の場合は結婚して名字が変わることを考えて、名前だけのものを作成する人も多いです。銀行印の場合、フルネームの印鑑を利用しても問題ありません。偽造対策としてフルネームでの銀行印であれば安心して利用することができます。

また、女性の場合は結婚などのことを考えて、名前だけの印鑑で銀行印を作成しても問題ありません。また、彫るときにはフルネームを横に彫ると偽造されにくいといわれているため、作成するときの参考としてください。認印であれば書体、フルネーム、苗字、名前などにこだわる必要はありませんが、役所に提出する物の場合は偽造されにくさを考慮して、フルネームで偽造されにくい物を作るといいでしょう。

法人印の場合はどんなフォントが向いているか

法人印の場合は偽造されにくさが最優先される印鑑です。頻繁に使われる角印や、実印など、作成するときにはフォントについて慎重に判断しなければなりません。篆書体が一番偽造されにくく、社の品格を損なわないとして人気とされています。

また、重厚さを求めるのであれば印相体(吉相体)を利用するのもいいでしょう。

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目的に合わせて考えて選ぶ

実印や銀行印のように偽造されにくさをメインとして考える場合には、篆書体や印相体(吉相体)を利用することがいいでしょう。認印の場合は、宅配の押印だけであればどんなフォントでも問題ありませんが、目的に合わせて複数用意し、使い分けてください。

個人で作成するときにはフルネームで作成すると偽造されにくいです。法人印を作成するときも偽造されにくさを心がけて作成してください。